2012/12/31

2012年の振り返りと今年一番の本:『イノベーション・オブ・ライフ』

1:振り返り

2012年はこれまでの人生で一番動きのある年だった。
デザイン思考に関連する活動も含め、時に悩んだり怒ったりしながら、それ以上に楽しく充実した生活ができた。

デザイン思考家が知っておくべき39のメソッド

「今年も色々あったな」と思う。

で、なんとなくアマゾンの購買履歴や本棚の様子を眺めていたんだけど、今年読んだ本は300冊前後ほど。基本的にイノベーション関係とデザイン思考ばかり。


2:今年一番良かった本

そんな中でもっとも印象に残っていて、かつ「これ読んでなかったら人生かなり変わってた可能性が多いにある」という本が『イノベーション・オブ・ライフ』。

イノベーション・オブ・ライフ
著者は『イノベーションのジレンマ』でおなじみのクレイトン・クリステンセン。内容は、経営戦略を生き方について当てはめ解説した人生訓。

・・・という概要を聞いた時に「なんか微妙な本だろうなー」と思った。クリステンセンのイノベーション関連本は必読書だけど、今回の本はちょっと専門外のような印象を受けた。



3:キャリア本?

というのも、最初に目に飛び込んできたのは目次にあった「第一部:幸せなキャリアを歩む」という項目。

「専門外の人が、ちょっと手を広げてキャリア本でも書いたのか」と思った。そういう本は駄作になる危険性が高い。ある分野では客観的に理論を語れる人なのに、自分のことになると主観的になって「精神論」になる場合がある。

が。この本は完全に違った。期待していなかったのを申し訳なく思うくらいに、得るものがあった。

4:人生≠キャリア

第二部はこんな言葉から始まる。
「人生は、キャリアがすべてではない。(中略)達成動機の高い人たちは、仕事でこうなりたいと思う自分になることに没頭して、家庭でなりたい自分になることをおろそかにしがちだ」(p.86)

ここで少しドキッとする。
そしてこう続く。
「スケジュールが厳しくて一緒に過ごす暇がないことを、一番身近な人たちはわかってくれると考える。(中略)友人や家族からの電子メールや電話に返事をし忘れる。昔は大切にしていた誕生日や記念日を祝わなくなる」(p.99)

誕生日にメッセージすら寄せなくなった自分をふと思い出した。
これはまずい。
さらに次の文章。
「陥りがちな間違いは、人生への投資の順序を好きに変えられると思いこむことだ。たとえばこんなふうに考える。
『いまはまだ子どもたちが幼くて、子育てはそれほど大事じゃないから、仕事に専念しよう。子どもたちが少し成長して、大人と同じようなことに関心をもつようになれば、仕事のペースを落として、家庭に力を入れればいいさ』。 
さてどうなるだろう? その頃にはもうゲームは詰んでいるのだ」(pp.102-3)


5:なりたい自分と現実の自分


将来の自分は、そこまで仕事中毒にはならないだろうと思った。まだ結婚はしてないけど、子どもは好きだし休日は家族でのんびりしたい。そう考えている。

だけど、周りの人は将来の自分をどう見るだろう。少しだけ考えてみた。
きっと「家庭を犠牲にして仕事をしている人」と思うはずだ。

つまり、クリステンセンが指摘した「家庭でなりたい自分」がすでにおろそかになっている。

2012年の仕事は順調で、始めたことは全てうまく程の勢いだった。
軌道に乗ってきたと思っていた。
でもそれは間違いだった。
軌道修正が必要だ。

6:誰に貢献するのか

クリステンセンの言葉にグサグサとやられている中で、最も印象的だったのが次の内容だった。自分の価値観とも当てはまって強く心に残った。
「幸せを求めることは、幸せにしてあげたいと思える人、自分を犠牲にしてでも幸せにしてあげる価値があると思える人を探すことでもある」(pp.128-9) 
偉人で好きな人に古代ローマの哲学者セネカがいる。
彼の『生の短さについて』を読んだ時に「自分の歩みたい人生の輪郭」がなんとなく見えた。

生の短さについて

クリステンセンの本を読んで、その時の気持がまた蘇ってきた気がする。

仕事で誰に貢献するかは常に考えていた。
そもそも、他人に価値を提供しなければ仕事ではない。
そのためには、自分が持っている時間やお金や才能をありったけ注ぎ込む。
それが貢献につながるし、相手の生活をよりよくする。

でも。

プライベートだって同じはずだ。
自分が貢献したい人に対して、自分が持っているものをありったけ提供する。

周囲にいかに貢献するかを考え実践することが、自分の人生で一番大事なこと。
でも「仕事」という側面だけでそれをやろうとしていた。
それは歩みたい人生とは違う。

7:2013年はさらなる貢献を

ということで、2013年は仕事だけじゃなくてプライベートでも貢献意識を持って行動したい。年明けからの仕事が既にたくさんきているからこそ、その経験を活かしてプライベートもより充実させたい。

ちなみに、今回紹介したクリステンセンの本の原題は以下の通り。


How will you measure your life? 
「何を人生の基準とするか?」

これは人によって様々だと思うけれど、この本を読んで自分なりの基準を改めて感じた。

「どれだけ質の高い貢献を周囲に提供できるか」

2013年も楽しみ。

2012/12/12

イノベーション実践に必要なもの3つ

細かく分けたらたくさんでてくるけどまず3つ


  1. 共通言語としての実践手法(デザイン思考などのクリエイティブメソッド)
  2. 創造性を誘発する環境(物理的・心理的両面からの空間設計)
  3. 多様なメンバーによる協働(マネジメントを含むコラボレーション)

人と場所と手法が必要。
今のところトレンドはデザイン思考やBMGといった手法だけど、年明けあたりから場所や人も話題になる。

期待。

2012/10/19

デザイン思考家になるための90分集中講座 -スタンフォード大学d.school教室-

スタンフォード大学d.schoolによるデザイン思考の集中講座動画、先日翻訳版を公開。

ワークシートやファシリテーションガイドのダウンロードは以下のページから。
http://kashinotakanori.com/bootleg/index.php?video

2012/06/19

2012/05/02

福澤諭吉に学ぶイノベーションのはじまり方:トップダウンとボトムアップ


どっちのほうがいいか?
  • 経営陣によるトップダウン式のイノベーション
  • 現場社員によるボトムアップ式のイノベーション
「どっちでもなくて中間から起こるよね」と思える箇所を、福澤諭吉『学問のすすめ』の中から発見。
「国の文明というのは、上の方、政府から起こるべきものではなく、下の方、人民から生まれるものでもない。必ずその中間から興って、庶民に向かうべきところを示し、政府と並び立ってはじめて成功を期待すべきものなのだ
(※下線は柏野:福澤諭吉『現代語訳学問のすすめ』齋藤孝訳, 2009, p.71)
『現代語訳学問のすすめ』

文脈としては「国の文明」なのだけど、文明って超おおがかりな社会イノベーションだと思っている。

で、中間にいるのは「学者」。ゆきちは本のなかでアダム・スミスやワットをあげている。単位が国じゃなくて企業だったら「中間」の人は研究開発職の人になりそう。

ふとミドル・ディフュージョン(中間発散)という造語が思い浮かんだ。知力で世の中を指揮する中間層が工夫して誕生したイノベーション。トップはイノベーションを承認して正統性を与える。ボトムは実際にイノベーションを日々の生活で利用する。
「文明を行うのは、民間の人民であり、それを保護するのが政府である」(Ibid, p.72)
これからの時代は誰もが知力を発揮することが前提の社会になる。トップクラスの学者が「普段どうやって物事を考えているか」について、もっと気軽に学べたらいい。イノベーションが少し身近になる。

2012/04/01

帰国:15日目

■朝
4時半に目が覚める。
ユースホステルで朝飯食べて、シャトルバスに乗ってサンフランシスコ空港(SFO)へ。

機内用に本を2冊。
Design Thinking: Integrating Innovation, Customer Experience, and Brand Value








■昼〜午後
結局機内で資料作成してたからあんまり読めなかったけど。。。

12時間ほど飛んで成田空港着。
日本時間で17時。
21時には寝た。

金曜から学校なので時差ボケなおさないと。
渡航の振り返りもちゃんとやって、まずは今学期の学びに活かしたい。

■モニター募集のお知らせ
秋学期に岡山大学で「クリエイティブ・ダイナミクス」って講義やるんだけど、講義中に実施予定の自己診断・適性診断ノウハウを現在開発・改善中。

そのうちモニター募集するので協力してくれる人いたら助かります。
今回学んだデザイン思考も取り入れて講義する予定。

2012/03/31

今日はのんびり最後のアメリカ:14日目

■午前〜昼
Palo Altoからサンフランシスコに移動。
予約していたホテルのチェックイン時間が2時からだったので、近くのうどん屋さん「堂島庵」で昼飯。ご飯が食べたかったのでうどんじゃなくてどんぶりものを注文。
かき揚げ丼
日本の味で値段もリーズナブル。量だけアメリカンサイズだった。
その後スタバで今回のプログラムの振り返り。
参加者のブログやメモを読みながら、自分のブログを書く。

■午後〜夜
2時過ぎにホテルにつく。仮眠。のはずが気づくと7時過ぎ←
「最後はアメリカらしいものを」ということで、友達と一緒にハンバーガーショップ「Super Duper」へ。
ベジバーガー
ピクルスとハンバーガーのパンが特に美味しかった。
帰り際に近くのショッピングセンターへ寄って土産購入。

やっぱゆっくりできる時間大事だね。
プログラム中は「これ詰め込み過ぎたろ!」ってぐらい講演やらワークショップが入ってたから。

学んだことを自分の中に落としこむためにも、振り返りの時間は重要。

さて、いよいよ明日は帰国だ!

2012/03/30

iVisited Apple & I LIKE facebook:13日目

友達の紹介で昼にApple社、夕方にFacebook社へ訪問

■Apple
12時過ぎに本社到着。


元Microsoft社員で現在iOS開発に携わるMigsに案内され、食堂へ。
サラダやピザはもちろん、日本食も沢山あった。そば、すし、うどんなど。
日本食は、ジョブズ自身がこだわってあれこれ注文つけてたとか。

面白そうだったのでそばサラダを注文。8ドル。美味しかった。
あと、りんごは全部無料らしい。


<Appleで最も重要なこと>
一緒にメシ食いながら色々お話。

「Appleにおいて最も優先順位が高いことは?」
User Experience(顧客体験)。例えばある製品の〇〇率(聞き逃した)が68%だったと実験でわかったとする。でも、それじゃ不十分だ。それだけで製品の良し悪しがわかるわけじゃない」
User Experienceを直訳すると顧客体験だがけど、話し聞いてると「感動提供」とかそういう感覚に近い気がした。
「User Experienceを重視するために、何に気をつけている?」
「実際にできた製品を手にとって触った時の直感だね。使ってみて違和感があるならそれはダメな製品だから」
新技術が利用されていたり実験データが素晴らしいものであったりしても、実際に使ってみて微妙ならその製品はアウト。

実にAppleらしい考えだと思った。
と同時にそういう発想がトップだけでなく製品開発に直接関わる技術者に浸透していることも印象的だった。

Migsはジョブズに直接会ったことは一回だけらしい。
部屋の入口ですれ違う時に、向こうから歩いてきたジョブズがドアを開けてくれて「ありがとう」と言ったのが最初で最後の会話とか。
「普通に考えて他にもっと言うことあるよな。自分のアイデアをプレゼンするとか。もっとましなこと言えばよかったよ」
と笑いながら言っていた。

その後彼に案内されてApple Storeへ。


友達にみやげ買って、その後は記念撮影。
会社入口の看板前 with 食堂無料りんご
■Facebook
夕方はFacebook社へ訪問。
<エントランス&食堂>
2週間前にFacebookで働き始めたトルコ人のErbilと待ち合わせ。エントランスの絵が印象的。


ちなみにこの絵はザッカーバーグも書いて(?)いる。
詳細以下のビデオを。

完成版
この女性はレディオ・ガガらしい
この壁の右側にはセキュリティチェック&さらなるペイント。

受付の人が超機嫌悪そうだった。笑
数分後にErbil登場。パスを発行してもらい食堂へ向かう。
サインアップの字が汚かったのでこんなパスに
開放的な雰囲気の食堂
Appleとは違ってメニューは全部無料。
ビールも飲み放題。飲んでみた友達曰く「まずい」とのこと笑。
俺は飲んでないからわからないけど、食べ物は全部おいしかった。
ベジタリアン向けメニューをチョイス
<facebookの文化>
Erbilと話して伝わってきたのはfacebookのスローガン。
make it better
ひたすら改善、改善、改善。
ちょっと気になって聞いてみた。
「新しいものを生み出すのと、既にあるものを改善するのどっちが好き?」
「改善することは新しいものを生み出すことでもあると思う」
なるほど。
Erbilの仕事はマネージャーらしいのだが「一般的な企業のマネージャーとは違う」とのこと。
「僕も最初は混乱したよ。数千人オーバーのスタッフがいるのにマネージャーは16人しかいないって聞かされて『どういうこと??』と思ったし」
面白かったのは評価に「いいね」を利用するということ。
「facebookページでプロジェクト管理をしている。ウォールにポストされたアイデアに対していいねが多くつけばそれはよいアイデア。よい仕事をしたことになる」
「会社のミッションは世界をよりオープンに、よりつながりのある状態にすることだけど、それだと抽象的。もう少し具体的なレベルで考えるために、どれだけのインパクトを周囲に提供したかを見ることが大事」
新規プロジェクトの立ち上げも「やりたい人がやればいい」とのこと。
食堂で自分のアイデアを伝えて、賛同してくれる人をリクルート。
人が集まれば即スタート。

友達がこんな質問もしていた。
「仕事ができない人っていた?」
「いないね。ほんとみんな優秀だから。といってもfacebookで働き始めてまだ2週だからなー笑。まあ、仮に馬が合わないと思えば違う人を探せばいいし、参加しているプロジェクトが微妙だったら違う仕事や環境を選べばいい」 
予想以上に自由で「オープンな世界」を地でいく様子が伝わってきた。
そこから少しマネジメントの話に。
「いわゆるトップダウン式のシステムは短期的には成果がでるかもしれない。でも、ガチガチのシステムにしてしまうと長期的な変化に対応できない。自由に動ける環境が重要になる」 
ふと、ドラッカーが言及していた、知識労働者の理想的な働き方を思い出した。
自分なりに彼の話を整理するとこんな感じ。

  • 短期:今日はどんな仕事をしたか?
  • 中期:どれだけのインパクトを提供できたか?
  • 長期:世界はオープンになったか、人々のつながりは増えたか?
他にも色んな要素はあるんだろうけど、絶対外せないなと感じた3つの要素。
  1. 優秀な人材
  2. 自由なワークスタイル
  3. いいねを利用した評価
IDEOもそうだったけど、こういう会社がたくさんあれば仕事楽しめる人増えるんだろうなーと思った次第。

いい勉強になりました。

社内にあるリアル・ウォール

2012/03/29

プログラムの総まとめ:12日目

今日が実質的なプログラムの最終日!

■午前〜午後
<プレゼンテーション at d.school>
デザイン思考を活用して2月から考えてきた各プロジェクトの解決案を、審査員の前でそれぞれプレゼン。
審査員の人々
俺らのチームは「most breakthrough / innovative」ってことで表彰された。
最後の方にティナ・シーリグも顔を出す。
Tina Seelig
手に持ってるのは来月出版予定の『inGenius』(邦訳版は5月予定らしい)。

inGenius: A Crash Course on Creativity

最後にみんなで記念撮影。


■午後〜夕方
ホテルに戻ってからは、講師を招いたまとめの時間。
が、みんなプレゼン準備のために徹夜してたからかなりグロッキー。

さらに、講師の専門が社会心理学を土台にしたヒーローズジャーニー的なものだった。
講義内容自体は「社会的な圧力をどうやって回避し、積極的に行動するか」といった内容で面白かった。

が、無理やりプログラムの振り返りと結びつけた感が否めなかった。
「何が言いたかったのかよくわからなかったね」と参加者の声。
講義の内容は面白かっただけに、プログラムの中で一番残念に感じたアクティビティだった。

多分、帰国してからプログラム全体に対するフィードバック機会があると思うので、そこで改善点を伝えられたら。

<プログラム全体を通じて感じたこと>
一番難しいと感じたのが「振り返りの時間をどういう風にプログラムに組み込むか」ということ。

「色々と体験させたいのはわかるけど、プログラムの中に予定を詰め込みすぎ」「もっとゆっくりできる時間も入れて欲しい」という声が7日目ぐらいからちらほら聞こえていた。

死ぬほど学びは多いのだけど、その量が多すぎて未消化な人が多かったみたい。
正直俺もそういう部分がある。

日本に帰ったら今回学んだデザイン思考やソーシャル・イノベーションに関する知識やノウハウを、ゆっくり振り返って自分のものにしていきたい。

ワークショップ開催してもいいね。
d.schoolで学んだことを伝えるための。

■夜
ホテル近くのタイ料理屋でプログラム最後の夜ごはん。
メシ食べた後にプログラムの修了証書がみんなに渡される。
記念撮影
10時半頃にホテルへ戻る。疲れていたのか仮眠のつもりが爆睡。

プログラムはこれで終わりのため、明日の朝には全員帰国。
ただ、中にはアメリカ残って旅行したり別の国へ行く人も。

友達がAppleとfacebookの社員を紹介してくれるとのことで、俺も数日延泊することに。

2012/03/28

10分程度のプレゼンで大事なこと:11日目

■午前
<1:読書とプレゼン準備>

明日のプレゼン準備をするため、ホテル隣にあるカフェで構想を練る。
Design Thinking: Integrating Innovation, Customer Experience, and Brand Value 』と『Designing for Growth: A Design Thinking Tool Kit for Managers』を参考に。


使うために読むと、本の内容がよくわかってくる。

■午後
<2:ストアで買い物>
スタンフォードのブックストアで本を数冊購入。
あと記念にパーカー(赤)も買った。
Stanford University Seal Sweatshirt
ちなみにスタンフォード大学のブックストアサイトはこちら

<3:講演&パネルディスカッション>
買い物の後に「Rose」と「SMILE : Stanford Mobile Inquiry-based Learning Environment」の関係者をゲストに招いて講演&パネルディスカッション。

講演は1人10分ぐらいだったかな。短め。
で、内容よりもプレゼンの順番が勉強になった。
  1. 問題提起:◯◯で困っている人が◯◯人もいる
  2. ミッション:◯◯を世の中から無くす
  3. 機会:世の中のトレンドとして□□が流行っている
  4. 解決策:□□をうまく利用して■■という解決策を実行している
  5. 具体例:実際の現場の様子はこう
  6. ビジョン:■■によって〇〇がなくなった後、世界はこうなっている
「機会に注目すること」の重要性はよく語られる。
短い時間であっても機会への言及を行うことでプレゼンが効果的になると感じた。

今度人前で話す機会あったら俺もやってみよう。

2012/03/27

日本の強みを意識した日:10日目(前半)

■午前
<1:寄付行為から見るアメリカと日本の違い>
慈善活動に関する調査・支援を行なっているStanford center for Philanthropy and civil Society(PACS)の初代ディレクターを招いてスタンフォード大学内で話を聞く。

講師:Kim
データを下にアメリカ、日本、中国のファンドレイジングや寄附行為について解説してもらった。
データが示すように、アメリカには以下の特徴がある。

  1. 個人からの寄付が多い
  2. 寄付先は宗教に関する活動(教会等)
<内訳>左:資金提供者(個人73%) 右:資金提供先(宗教35%)
※写真はいとやん撮影のもの。ありがとー!

■アメリカ人にとっての寄附行為

この話を聞いて、先日のブログでも書いた「アメリカ人にとっての寄附行為の感覚」について気になったので質問。「アメリカって個人がかなり気軽に寄付してる気がするけどどう?」

イメージ図
「例えば、朝起きてコーヒー飲んだり友達に電話するのと同じくらいの感覚で寄付するようにみえますがどう思いますか。逆に日本は、どちらかというと車を買ったり家を買ったりするような少し『特別なイベント』として寄付を捉えているようにみえます」
「ええ、私もそうだと思います」
話はそのまま宗教的なイベントに関する内容へ。
「例えば初詣みたいに、日本は年に一回『どーん!』と大きなイベント
「一方アメリカは、毎週教会に行ったりと、小さい規模のものが多数
そういえば、普通の「パーティー」だってアメリカンなやつを想像すると毎週あるイメージ。日本は同窓会とか大きいやつドーンって感じだなー。

■感覚の源

そして話はアメリカの歴史的背景へ。
建国当初から全米を統括する政府がいたわけでもなく、見知らぬ人種や出身の者同士で助けあう必要があった。
で、それがそのまま寄付の形にも影響を与えているらしい。


「一方、日本は事情が違う。自分が所属するコミュニティ(例:家庭、学校、地域)内の人に対する支援は手厚い。けど、その外に出るとあまり支援が見られない」
「ただ、先の震災でその意識が多少なりとも変化したのではないか」
とのこと。

何でもかんでも「文化の違い」にまとめるのは何も説明してないのと同じ。
とはいえ、国の成り立ちや発展の仕方を考えると今回の話は結構的を得ているような気がする。

ただ、俺の意見だとやっぱ日本人は連帯感がないと行動しにくい人種ではないかと思う。
これはアメリカにはない日本の強み(と思っている)。
明治維新みたいに社会構造を変える時には「空気読んで」一瞬で変えられる。
社会構造が根本から変わったのに、例えばフランス革命ほどの流血はなかったし。

話それるが、日本が世界に出るなら、
  • 日本独自の強みをもっと掘り下げる
  • その強みを活用してビジネスなり教育なり政治なりをする
ってのがいいように感じた。
世界の平均値狙って世界へ出ても面白くないしね。


<おまけ>
お土産にStanford Social Innovation Reviewのバックナンバー2冊をもらった。

Vol.10, No.1-2

人間中心とプロトタイプ作成:10日目(午後)

■昼飯
<1:ランチ&ティナ・シーリグ>
スタンフォード大学の食堂で昼飯。
豆腐を使った中華風料理
食べてたら『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』の著者ティナ・シーリグを連れてきて、急遽記念撮影会。

食堂出口前で
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

午後
<2:IDEO訪問>
午後はデザイン・コンサルティングファームのIDEOを訪問。
マイクロソフトやP&G、ペプシなどへのコンサル実績あり。
Appleが最初に作ったマウスも手がけてたみたい(wiki)。

IDEO.orgのメンバーであるSeanに案内され、社内をまわる。
エントランスにあるPC
デザイン思考の重要な特徴として「プロトタイプ作成」があるように、IDEOもコンサル先に対してプロダクトのプロトタイプを提示する。

例えば「シャンプーを販売している会社から依頼があった」という場合。
実際に容器のプロトタイプを作成しながらコンサルティングを行う。

今回見せてもらったのは3Dプリンターによる容器。
(社内は撮影禁止だったけどここだけ許可もらった)

3Dプリントされたプロトタイプ容器
プリント物のサンプル集
3Dプリンター
この3Dプリンター、データ入力してから実際に作成されるまで半日ほどかかるとか。
3Dプリンターのみならず、実際に手動かして工作しながら作るプロトタイプもたくさん。
(面白いのたくさんあったんだけど、撮影できなかった)

■質疑応答
「ライバル企業ってどこ?」
「コンサル会社だから、マッキンゼーやBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)になるね」
「じゃあ、ものづくりのコンサルってイメージが強いけどサービス業もやってる?」
「もちろん。製品のデザインじゃなくて顧客体験のデザインが仕事だから。この前ホテル会社のコンサルしたんだけど、その時は模型でホテルの受付を作って、フロント役とお客さん役にわかれてプロトタイプを作ったんだ」
「マッキンゼーやBCGにないIDEOの強みは?」
「うーん、なんだろう笑」
SeanはIDEOの強みについてはっきりしたことは言ってなかった。
ただ、プロトタイプ作成のノウハウがあることは強みの一つではないかと感じた。

■優れたデザインのためのツールキット配布中
IDEOは「人間中心デザイン(Human-Centered Design:HCD)」を掲げて事業展開している。
HCDの実践の蓄積は、プロトタイプ作成にも現れているような気がする。

ちなみに、IDEOのノウハウをまとめたデザインツールキットがネットで無料配布されている。
ダウンロードはこちらから。
Human-Centered Design toolkit
このツールキットは「社会問題解決のためのデザイン」に焦点あたってるけど、普通にビジネスやる上でも有益な内容。
おすすめ。

■日本におけるデザイン思考
案内が終わった後に「日本の大学でデザイン思考の研究をしている。機会があればインタビューをしたい」と伝えた。

どうやら「日本文化に根ざしたデザイン思考」には興味があるようで、気軽に連絡して欲しいとのこと。

日本帰ってからの目標が一つできた感じ。