2012/03/20

社会起業と営利起業の違い:3日目

早朝4時半起床。
調子よさげ。

■早朝
<0:読書>
AppleでMacintoshのヒットに関わったガイ・カワサキによる『完全網羅 起業成功マニュアル』。内容が実用的なこともそうだけど、その内容を愉快な語り口で伝えている。面白い。
「組織や製品・サービスのよいネーミングはポルノグラフティーに似ている。つまり定義はしづらいけれども、見ればそれとわかる」 
(パワポのフォントサイズを三〇ポイントに、という文脈で)「ドットコムバブルの崩壊を生き延びたベンチャーキャピタリストはおそらくみんな四〇歳をすぎ、視力が低下しているはずだ。フォントサイズについて助言するならば、こうなる。最年長の投資家の年齢を二で割ったフォントサイズを使いなさい
完全網羅 起業成功マニュアル

起業したい人はまず読んどいた方がいいんじゃないですかね。

■午前〜昼
<1:Theory of Change>
午前はワークショップ。トピックは変革理論(theory of change)。

キーワードは "If... then..."。
「もし傘があれば、雨に濡れない」みたいに、因果関係を重視した思考法。


俺は論理を突き詰めて考えるタイプではないので、色々と勉強になった。
超おおまかに書くと、以下のような思考プロセス。
  1. ファクトを集める(現場に出て観察する、顧客に直接聞く)
  2. 問題点をみつける
  3. 仮説を立てる
  4. If...then...の思考テスト

チーム事のワーク発表
⇒本日の発見:社会企業と営利起業の違い
ワークしながら腑に落ちたのが、社会起業と営利起業の違い
アメリカに来てからNPO関係者の人たちに聞いてみたが「寄付できる」「税制が違う」などの運営方式に関する答えしか帰ってこなかった。

厳密には違うんだけど、超おおまかに捉えると俺の理解は以下のようになる。

  • 社会起業はマイナスをゼロにする(何が問題点か、顧客は把握している)
  • 営利企業はゼロをプラスにする(何があると嬉しいか、顧客は把握していない)

▼社会起業
例えば「子供を預けられる保育所がない!」って社会問題。
母親だって何が問題か把握している。どうなるといいのかもイメージできる。

が、具体的にどういう手法がベストかはわからない。
仮にわかっても自分が実践することは物理的に時間がなくて難しかったりする(仕事、育児など)

そこで「こういう方法で創造的に解決できます!」みたいなプランを実行するのが社会起業家かと。


▼営利起業
社会問題を対象にはしてない。
結果的に社会問題の解決に役立つことはある。

例えば21世紀ならiPadを生んだジョブズ、20世紀なら大衆車を生んだフォード。
二人とも同じ事言ってる。
以下適当な意訳と原文。

【20世紀:ヘンリー・フォード】

「何が欲しいか聞いたら、誰もが『もっと早い馬』と答えただろう」
"If I had asked people what they wanted, they would have said faster horses. "
 【21世紀:スティーブ・ジョブズ】

「何が欲しいかなんて、実際にそれを見せるまで誰もわからない」
"people don't know what they want until you show it to them." 
一方で「フォードの大衆車の誕生は手軽な移動手段を社会に提供した」「ジョブズのiPadは手軽な教育ツールを社会に提供した」とも言える。

実際のところ、社会起業と営利企業の厳密な線引きは難しいと思うし、全部を上のわけかたで説明できるわけではない。

が、超おおざっぱに上記のように考えることで、社会起業と営利企業の区別がつくようになった。

発見は「自分は社会起業にまったく興味がないんだな」ということ。
必要なのはわかるんだけど少しもワクワクしない。
まあそういう性格ってことで。

■午後〜夕方
<2:Social Imprintsの見学>
犯罪歴がある人を雇用している印刷会社、Social Imprints社を見学。
クライアントにはdropboxもいるみたい。

左のコップや右上のモレスキン:dropbox

CEO(Jeff Sheinbein)がパワフルな人で面白かった。
一字一句覚えてないが、例えばこんなやりとり。

学生「どういう基準で人を雇ってるの?」
社長「OK。まずはドラッグを始めよう。次はブタ箱だ。シャバに出てきたら雇う」

いわゆるアメリカン・ジョークですね。

で、実際の雇用基準3つもアナウンス。
  1. 過去の犯罪から1年以上経過している
  2. なんらかの更生プログラムに参加している
  3. 家族や友人など周囲の人からの支援がある
当然ながら「犯罪歴があれば誰でもOK!」ってわけじゃないし、上記3つを満たせれば必ずってわけではない。

他にも事業に対するCEO個人のモチベーションなども聞けた。
やっぱ情熱だね。それだけでもダメだが、情熱ないと続かない。
改めて感じた。

最後に記念撮影。

目つぶった。。。笑
帰り際に友達とこんな話も。

「生きる上で情熱って大事だね。情熱を見出せる仕事って何だろう」
「まあ仕事じゃなくてもいいんじゃない?例えば死ぬほど趣味の釣りが好きとか、奥さん大好きでマジで愛してるとか」

「情熱を持とう!」って考える極めてビッグな何かをイメージしてたことがあったけど、もっと日常的なものでもいいように思う。

ある人にとっての日常が、社会にとってたまたま偉大だった。
そういう人のことを「偉人」と呼ぶのかもしれん。

<3:シリコンバレーの起業事例>
4時からホテルのホールでスタンフォード大学を卒業生からシリコンバレー事情を聞く。
年は22〜23ぐらい?かな。
現在進行形で自分のビジネス立ち上げも行なっているそうで。

印象的だったのは彼が終盤で起業において大切なことに触れた時。
だいたい以下の内容。
 「こんなことを語るやつが腐るほどいる。 
『ビッグなアイデアがあるんだ』
『このサービスは何万人もの人が利用する』
『株式公開もして会社を大きくし、大きな影響を社会に与える』  
耳障りはいいが実際はどうだ。
詳しく聞けばまだ何も形にしていない。
プロトタイプもない。当然サービス利用者は1人もいない・・・」
・・・あれですね「とっとと動け」って話。
朝読んだ起業家マニュアル本にも同じ事かいてあったな。そういえば。

■夜
<4:リスク・テイキング>
電車でDelancy Street Restaurantへ移動。

ハーバードで博士号取得した女性のゲストを招いて「リスクをとることの大切さ」などをテーマに話を聞く。
起業にリスクはつきものだからね。

「失敗から学ぶことが多い」
「失敗は悪いことではない」
「ちょっと教えて欲しいんだけど、あなたの人生で最高だった失敗体験って何?

など。

29人のプログラム参加者が5個のテーブルに別れて席に座ってた。
たまたま俺のテーブルにはアメリカの大学でマクロ経済を教えてる先生も同席してた。
嫁さんが日本人で、日本語を勉強する過程で知り合って結婚したのだとか。

ここで面白かったのはriskとuncertain thing(不確定な物事)の違い。

riskは度合いで示すことができるので
「AパターンとBパターンだと、Aの方がリスク低いよね」
と比較可能。リターンも含めて。
100%当たることはないが予測ができる。

一方、後者はそれができない。
ただただ「よくわからない」。
予測も立てれないし、「とりあえずやってみないとわからない」という状況。

でも、情報を集めることでよくわからんものが「比較・予測可能」になる場合もある。
起業だったら経験者に聞くことかもしれないし、成功者が書いたマニュアル本を読むことかもしれない。

スタイルは人によって違うだろうけど、自分の経験を超えた情報収集も大事だね。
有名なフレーズを最後に。
愚者は経験に学び、賢者歴史に学ぶ ービスマルク
また明日。

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